UA-79192611-1 DIYでピザ窯を自作するための設計

DIYでピザ窯を自作するための設計

ピザ釜を自作するためには、どの場所に設置するか、そしてどのような形状・構造のものを作るか、そこから考えなければなりません。
またピザ窯は火床や焼き床、土台、煙突、扉などから成り立っているので、それぞれについての考察も必要です。
さらには温度管理が非常に重要なので温度計の有効な利用方法も考えなければなりません。

それでは順番に設計していきましょう。
ここで述べていることを参考にあなたに合ったピザ窯を設計してください。

ただし、ここで述べているのはあくまでも私の考えなので、これ以外にもいろんな関連書籍を読み漁り(あるいはネットで調べまくり)、知識を深めていくことをお勧めします。

設置場所の決定

具体的な設計に着手する前に、まず最初に考えなければならないのがどこに設置するかですね。

設置場所のそばにみんなが集うスペース

せっかくのピザ釜ですから家族みんなあるいは仲間を集めてピザが焼けるのを待ちながらワイワイやりたいですね。

ピザを取り出す瞬間がみんなから見れる場所にあれば盛り上がること間違いなし。

風の流れを把握

設置を考えている場所の一日の風の流れはどうなっているんだろう。
季節によっても変わってくるのでどの季節のどんな時間帯に利用するのが多いのだろうかも考えてみてください。

風下になってはいけない場所は?

 自分の家の中

 みんなが着席するであろう場所

 隣接する家

上記のようなことを考慮して、最適なスペースをイメージすることが大事ですね。

下に一例を掲載してあります。

このようなレイアウトならばほぼ問題はないでしょうが自宅がこんな環境の家なんて住宅地にはなかなか無いですよね。

もしも周囲にすべて家が隣接しているような住宅密集地では設置は慎重に考えたほうが良いと思います。

ピザ窯の形状

ピザ釜の形状には大きく分けて3種類あります。

ドーム型

天井を半球状に組んだ窯。
天井の各部から中心までの距離が均一なので、ムラの少ない焼け具合になる。
天井部分の半球形の木型が必要で、積み上げるレンガもひとつずつ加工が必要なので手間がかかる。

アーチ型

天井を半円状に組んだ窯。
上部が半円状のため、熱が回りやすい。
天井部分の木型(カマボコ形)は必要だが、アーチ用の耐火レンガも市販されているためレンガの加工はそれほど必要ない。DIYでは最もポピュラーなタイプ。

箱(スクエア)型

四角い箱のような単純な形に組んだ窯。
熱の回りはイマイチ。
天井部分の木型を作る必要がなく、比較的短い時間で組み上げることが可能。

形状の決定

それぞれのイメージは下図をご覧になってください。

17.09.10.ピザ釜形状別

製作難易度の高い順にドーム型>アーチ型>箱型の3種類。

当然のことながら難易度が高い形状ほど熱や炎の流れがよく窯内部各所の温度差が少ないということで性能的には優れているということです。が・・・

私が思うには
性能的には優れているといっても、実際に使っていてこの形状だからというはっきりとした認識を感じるほど、そんなに極端な大差はないのではないでしょうか。

大事なのは技術的・時間的に自分にはどの程度の製作が可能かの見極めです。

それと、これが最重要なのですが、
自分自身のピザ窯自作の本当の理由です。

ただ美味しいピザを食べたいだけならば、箱型で十分でしょう。(たぶん・・・)
でもピザ窯を作りたい人の大部分はやはり、「製作過程を楽しみたい、そして出来上がった窯を見て満足したい。」でしょうから、アーチ型に挑戦、さらに手間を厭わない覚悟(および製作に費やせる時間)があるならば、ドーム型に挑戦すべきでしょう。

ピザ窯の構造

構造の種類

ピザ窯の構造は主に2種類に分けられます。

基本(単層)タイプ

薪を燃やす火床と生地を置く焼き床が一緒であり、
薪を燃やして室内が適温になった後、熾きをかき出し(あるいは隅に寄せ)てから、生地を投入して余熱を利用して焼き上げる。
そのため大量のピザを焼きたい場合には適していない。
だが構造が簡単なため作りやすい。

一人で、あるいは夫婦で、ゆったりとピザ焼きの風情を味わいたいならば、こちらがお薦めです。

二層式タイプ

生地を置く焼き床の部屋の下に薪を燃やす火床の部屋を設けてある。
追い焚きが可能なので何枚も生地を焼く場合の温度管理が容易である。
だが部屋を二層作る必要があるので作るのに手間がかかる。

グループでワイワイやりながらたくさんのピザを食べたいならば、こちらがお薦めです。

焼き床

二層式タイプの窯を製作する場合は焼き床をどうするかも考えなければなりません。

焼き床にはいろいろな製作方法があり、大判の耐火レンガや大谷石を使うってこともありですが、アサヒキャスターを型枠に流し込んで固めるやり方が一番面白いのではないでしょうか。

その場合には焼き床用の型枠を作成する必要があります。

コンクリート型枠用合板(イエローコンパネ)を底板にして、窯の内寸にあった型枠を作成します。

板の広さによっても違うでしょうが強度的には焼き床の厚みは40~60mm程度必要です。

また焼き床をどうやって支えるかという構造上の問題も考えなければならない。

土台

薪の燃え方やピザの焼き具合を覗き込んだりする場合があることを考えるとピザ窯の窯口はある程度の高さが必要になってきます。
そこで作業性の良い高さを確保するためにはピザ窯本体を載せる土台が必要になってきます。

この土台も窯を支えるほどの強度を持つ枕木や丸太を使用するなどいろいろな製作方法があるでしょうが、やはり一般的なやり方はコンクリートブロックを積み上げる方法ではないでしょうか。
重量ブロックを三段程度積み上げて土台の天板(窯を載せる底板)を設置するというのが多くあるパターンだと思います。
窯口が腰の高さよりやや上にくる位置に設定するのがポイントです。

また窯はかなりの重量になるはずなので、土台の下はしっかりと基礎を打っておいてください。
せっかく窯を完成させても少しずつ土台から変形していって窯自体も崩れ去ってしまう可能性があります。

基礎を打つ際にはブロック積み時の補強用の鉄筋を前もって設置しておけば完璧です。

煙突

煙突の機能

薪が燃えた後の空気が燃焼室内部からどんどん排出されないと、新鮮な空気の入り口が十分に確保されていても、新しい空気は入ってくることが出来なくて薪はなかなか燃焼しません。
空気の流れが良好かどうかはいかに出口がしっかり確保されているかにかかっています。

排気のための煙突を設置するか否かは燃焼効率に大きな影響を及ぼします。

ただもともと空気の流れが十分に起こる構造薪で薪がしっかり燃える窯ならば煙突は必ずしも必要ではないので、そのあたりの見極めも必要ですね。
でも専門家でもないのに、設計段階でそんなこと判る訳ないです。
迷うならば煙突が設置できる構造にしておきましょう。
必要性を感じなかったら塞いでおけばいいのです。

煙突はホームセンターに売っているブリキの物でもいいですし、ちょっとこだわってレンガで積み上げてもいいでしょう。
穴径は100~150mm程度で十分です。
ブリキの煙突ならばトップや継ぎ手はいろいろな種類が揃っているので、取り回しは自由自在にできますが、その分圧力損失が生じますので、出来るだけ一直線に上に向かっているのが理想的です。

煙突が燃焼に使用した空気を排出してくれることによって新しい空気が供給されるのはいいのですが、窯内部の空気には熱も含まれています。
熱を含んだ空気を思いっきり排出していては窯内部の熱が逃げてしまいます。
熱を蓄えるには温まった空気を排出しないようにすることです。

なんか私、相反することを言っていますね。

煙突の理想的な機能は、燃料(薪)を燃やしたあとの余計な空気(煙)を排出し、熱は出来るだけ排出しないようにすることです。

そこで登場するのがダンパーです。
ダンパーとは煙突の通り道を開放したり遮断したり出来るフタのことです。
薪を燃やしている間はダンパーを開放して空気を逃がし、窯が温まったらダンパーで遮断して熱が逃げるのを防ぎます。

煙突の設置場所

もし石窯の天井の高い位置(アーチ部分の頂点など)に煙突があると、ここから高温の熱がまとめて逃げてしまうので、非常に熱効率の悪い石窯になってしまいます。

反対に、煙突の位置が低すぎたり狭すぎたりすると、燃料(薪)を燃やしたあとの余計な空気(煙)が排出されにくくなり、窯内の空気の流が悪くなり、薪の燃焼力が弱くなってしまいます。

理想的な煙突の位置は薪の位置からなるべく離れた開口部もしくは扉のすぐ後側で、なるべく開口部の上部に近い位置にあり、石窯内部の高さの三分の二ほどの位置に設置するのが理想的です。

この位置に煙突があると、下向きに空気を引き抜くことができ、また熱も逃がしにくくなります。

と、ここまでは理論的な話でした。

ただ実際には排気の流れがスムーズになるところが一番いいのではないかというのが私の考えです。
なぜかというと煙が籠りにくい、すなわちすす及び灰が降り注ぎにくい。
ピザの表面にすすが降り注がない構造が一番です。
熱の逃げはダンパーで調節すれば済むことですし・・・。

窯が調理に適した温度になり、食材を投入したら、窯口を塞いで熱が逃げないようにする必要があります。

最も簡単なのは耐火煉瓦等で窯口を塞いでやることです。

しかしながら作業性や見た目を重視するならばやはり扉の設置でしょう。

材質

扉はかなり高温になるであろうから、その材質は限られてくるでしょう。
考えられるのは耐火れんが以外では鉄あるいはステンレス。
その中で価格面や加工の難易度からすれば無難なのは鉄ですね。
ステンレスは価格も割高ですし、初心者にはまず加工できないのではないでしょうか。

構造

鉄の扉を採用する場合は
溶接構造にするか、ビス止め構造にするか。

溶接構造にする場合は、溶接機及び単独200V電源の設置等の初期費用が莫大なものとなります。
100V電源の家庭用溶接機なるものもありますが強度を望むのは無理があります。

自作する場合は加工のし易さで考えれば当然ビス止めだと私は思います。

ネットで見る限りでは扉だけは鉄工所にお願いするという人が多いみたいなので
もし業者に依頼するならば溶接構造ですね。
逆にビス止め構造だと価格がかなり高くなると思います。

温度計

温度測定

窯内部の温度を把握することは、おいしいピザを焼くために最も重要なことです。
したがって窯内部の温度を測定する温度計は絶対に必要です。

私の場合は焼き床面の温度と、焼き床内の上部の対流温度の2ヶ所を測定しています。
焼き床面は通常のストーブ用温度計、焼き床上部は長さ30㎝のバイメタル温度計を使用しています。
バイメタル温度計の理想的な取り付けは、扉に貫通させて焼き床からちょっとだけ上の位置(ピザ生地のちょっと上)の温度を測定するのが理想的なのでしょうが、
扉に設置すると作業時に邪魔で、軸を折りそうなので窯上部から中に差し込んでいます。

測定可能温度は最低500℃までの物を選定してください。

焼き上げ温度

ナポリピッツァ
焼き床温度450℃で1分

ローマピッツァ(クリスピー)
焼き床温度250℃で2分

※この条件はあくまでも関係する団体が規定している目安です。

全体の断熱

とりあえずピザを焼くだけなら耐火レンガで囲んだ窯で問題はないだろうが、窯を長時間利用し続けるならば、薪の消費量を節約するために外側に断熱層を設けて蓄えた熱が逃げにくい構造にするのが良い。

断熱層には、窯内部ほどの耐火性は必要ないので、赤レンガの使用でも十分です。

また耐火レンガと外壁の赤レンガの間に隙間を作り、その隙間に砂や小石を入れたり、あるいはそのままの隙間で空気層を設けたりして、断熱層の厚みをより厚くすれば効果が大きくなる。

屋根

レンガは吸水性が高いので雨などで濡れないようにしたい。

屋根の設置は必須でしょう。

私の場合は雪国であり、またかなり強い風も吹く場所なので屋根だけでなく、全体を覆うような小屋を設置している。

ピールの製作

忘れてならないのがピザを窯から出し入れするためのピール。

市販のピールの価格は千差万別で、安いものならばそんなにはしませんが、窯を自作したのにピールは市販品というのはいかがなものでしょうか。

ホームセンターでアルミプレートと木材丸棒さえ買ってくれば直ぐに製作可能ですよ。

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