ピザ釜を自作するためにはどんな材料が必要なのかを最初から考えておかなければなりません。
またそれらの材料の規格寸法を把握しておかなければ設計図は作れませんね。
今回はピザ窯の自作に必要な材料を確認します。
窯構造部材
耐火レンガ
窯内部は300~500℃まで温度を上げることが必要です。
したがって通常の赤レンガの耐火温度は約200℃なので間違いなく割れてしまいます。
値段は赤レンガよりもかなり高価ではありますが、耐火温度が1000℃以上と言われる耐火レンガを使用する必要があります。
巷では「耐火レンガ」として売られてはいるけれども粗悪品の場合もあるらしいので、確実にJIS規格品であることを確認したほうがよさそうです。
耐火レンガは、成分の違い等で、耐火度を分類し、SK26・28・30・32・34・36・38・40等と呼んでいますが、SK30番以下は明確な基準が少なくなるため、信頼度にばらつきがあるので、規格に裏付けされた安定した製品を求めるのであればSK32以上を購入すべきです。
耐火度SK32・・・最高使用温度1350℃
耐火度SK34・・・最高使用温度1380℃
ちなみに私が使用した耐火レンガはSK32です。
SK34までが通常の粘土質耐火レンガ、それ以上を高アルミナ質耐火レンガと分けて呼ぶのが一般的なのでSK34以降の番手は急激に価格が高くなります。
JISでは、粘土質耐火レンガには、1個又は1パレット包装ごとに次の事項を明記するという決まりがありますので、大概はレンガ表面に刻印されています。
(1)名称及び種類又はその記号
(2)製造業者名又はその略号
耐火レンガのおもな形状と寸法
並形および異形(L×W×T)
並形 →230×114×65
半丁 →230×114×30
半マス →114×114×65
横ぜり形(L×W×T/t)
Y0 →230×114×65/61
Y1 →230×114×65/59
Y2 →230×114×65/50
Y3 →230×114×65/32
縦ぜり形(L×W×T/t)
T0 →230×114×65/60
T1 →230×114×65/55
T2 →230×114×65/45
T3 →230×114×65/35
ばち形(L×W/w×T)
B0 →230×114/108×65
B1 →230×114/105×65
B2 →230×114/85×65
B3 →230×114/65×65
使用数量の目安
私のピザ窯に使用した耐火煉瓦の数量は
並形 230×114×65 74個使用
横ぜり形Y2 230×114×65/50 42個使用
(横ぜり形はアーチ部に使用しました)
ちなみに窯の外形寸法は幅710×奥行700×高さ約845mmのアーチ型二層式窯です。
耐火レンガの購入費用は約31,000円でした。
目地材
注意点
建設関係ではセメント・砂・水を結合させたものをモルタル、セメント・砂・砂利・水を結合させたものをコンクリートと言っているが、耐火れんが関係では耐火モルタルと耐火コンクリート(キャスタブル・キャスター)はまったく別の製品と考えなければならない。
耐火モルタルと耐火コンクリートの違い
耐火モルタル
耐火モルタルとは、耐火レンガ用の目地材ですが、一般的なモルタルと違い、800度以上の熱を加えないと固まらないモルタルです。耐火モルタルは、最初から粘りが出るように作られていますので、通常の(建設関係で)モルタルを使う時と同じように、耐火煉瓦に水を含ませて積んでしまうと、目地がいつまでも乾かなくなるので、間違えないようにしてください。
普通の(耐熱ではない)煉瓦に使用する普通モルタルは、温度が200度以上では使用出来ないので、石窯作りには使えません。もし使用した場合は割れる可能性があるので、外側の仕上げ以外では、絶対に使用は不可です。
耐火コンクリート
耐火コンクリートは、左官職人の世界ではキャスタブルと呼ばれていたり、メーカーでは不定形耐火物などと呼ばれていたりします。商品によって耐火性能は異なりますが、おおよそ1400度程度までの高温に耐えることができるコンクリートです。
とくに石窯(ピザ窯・パン窯)を作る場合は、T13という品番の細かな骨材が入った耐火コンクリートがおすすめです。
アサヒキャスター
ネットで見る限りでは石窯DIY自作派は、ほとんどがアサヒキャスターという耐火コンクリートを使っているようです。(私も当然アサヒキャスターです)。アサヒキャスターは水を加えて練って耐火レンガを組み上げる際に使用します。耐火モルタルと違い、熱を加えなくても固まる性質があり、通常のモルタルと同じように使用出来、扱いやすいのが人気のポイントです。
また板状の型枠を作って、耐火コンクリートを流し込み、オリジナルの焼き床を作ることも出来ます。ドーム型の石窯を作る場合は、窯の壁や天井まで全て耐火コンクリートで作る方法もあります。
CA-13Sは流し込み、CA-13Tはコテ塗りで使用する製品
でも私が購入したのはCA-13ST?
業者さんに使用目的のみで発注したらこんなのがきました。
ネットで調べても出てこない製品ですがSとTが付いているので、たぶん流し込みにも͡コテ塗りにも使用できる製品かな?と勝手に思い込んだまま今日に至っております。
モルタルの目地は2~3mmが目安だが、CA-13Tの目地は5mm以上必要(実際には10mm程度)
大きい物では5mm程度の骨材(コンクリートで言うと砂利・砂)を含んでいる
鉄と耐火物とでは熱膨張率が違うため鉄筋などは入れない
施工後24時間経った後、火を入れずに長期間放置しておくと不具合が起こる可能性があるので、施工後は1週間以内に火入れをして耐火物を乾燥させてくださいとのメーカー説明だが、施工を初めて火入れまで3か月経過したけど不具合は無し。
(だって作業は日曜日だけしか出来なかったし、毎週やることも出来なかったし、そんなの無理じゃん!!)
私の場合はアサヒキャスター4袋使用で購入費用は約14,000円でした。
土台用部材
コンクリートブロック
概略
コンクリートブロックとは、コンクリートで造られた方塊状の資材のことで、建築・土木資材のひとつ。
土台製作には建築用空洞コンクリートブロック(C種)と呼ばれるものを使用します。
寸法
一般市場に流通している厚みは100mm、120mm、150mm、190mmの4種があり、以下の外径寸法になります。
規格寸法 長さ×高さ×厚さ(mm)
390×190×100
390×190×120
390×190×150
390×190×190
形状
通常市販品には各厚みごとに基本型、横型、隅型、横隅型等の種類があります。
基本型
横型
隅型
横隅型
雨上がりの撮影のためブロックが濡れていますがご容赦願います。