郡上八幡は食品サンプルの聖地
食品サンプルが発明されたとされるのは大正末期から昭和初期。ほぼ同時期に異なる場所の複数の研究者や職人の手により発明されたといわれています。
当時、食品サンプルは食品模型や料理模型と呼ばれ、本格的な事業化はされていませんでしたが、昭和7年、岩崎瀧三が岩崎製作所を大阪で創業し、食品サンプルを日本で初めて事業化しました。
岩崎製作所は食品サンプルの業界最大手となっていましたが、第二次世界大戦により岩崎は故郷の郡上八幡に疎開。
戦争が終結すると大阪に戻り、事業を再開し、その後、郡上八幡に規格品専門工場として岐阜工場を開設しました。
今では郡上八幡の重要な地場産業となっていて、食品サンプルの生産量日本一で、全国シェアの約60%を占めています。
これが、郡上八幡が食品サンプルの聖地と呼ばれる由縁です。
食品サンプル作りの体験
今回は町屋を改造した洒落たお店「サンプル工房」さんで食品サンプルを体験します。
郡上八幡での食品サンプル作り体験
カップアイス編です。
パターンの選択
これは見本です。
スプーンが宙に浮いているパターンとアイスをこぼしちゃったパターンの2種類から選べます。
さらにこぼしちゃったパターンはノーマルタイプとスマホ置台溝付きタイプの2種類があります。
レベル的には、
こぼしちゃったパターン:ノーマル(写真の左下)が初級、
こぼしちゃったパターン:スマホ置台(写真の左上)が中級、
宙に浮いているパターン(写真の右)が上級というところでしょうか。
こぼしちゃったパターン2種類のレベルの違いは、
スマホ置台の場合、スマホが置けるようにスプーンの位置を決める作業が必要なのです。
さらにアイスの色はバニラ、ストロベリー、チョコレート、抹茶の4種類から選べます。
今回が食品サンプル作り初体験の小学一年生が選んだのが、カップアイスで一番難易度の高いスプーンが宙に浮いているパターンです。
まあ、確かに一番目を引くパターンではありますが。
作業開始
まずはベースとなる謎の液体に色の素となる液体を少しだけ注入。
これはチョコの色ではありません。
イチゴの色の素なんです。
これは抹茶の色です。
これにお店のお兄さんが別の液を垂らします。
ふむふむ、これは二液混合タイプですな。
(ヤッターマン風で)
説明しよう!
二液混合タイプとは通常は常温で液体の状態である主液に
硬化剤を混ぜ合わせることにより徐々に固くなっていき
最終的には完全に硬化してしまうタイプのものである。
このフレーズがわかる人はかなりの年配者かな。
これをただひたすらかき混ぜて二液がしっかり混ざるようにすると
ちょっと硬くなってくるので、
ここで液をすくって持ち上げます。
この状態で固くなるまでじっとそのままの状態を維持し続けなければならないのですが
小さい子には無理なので実際にはお店のお兄さんがずっとフォロー。
お兄さんも疲れてきたのである程度固まった時点で完全に固まるまではカゴの縁に乗っけてその時を待ちます。
完成品
もう一方の抹茶アイスの方はすくう量が少なかったため連結部分が細くさらに一苦労でした。(遠慮深いおばさんですので)
作業内容はただひたすらかき混ぜるだけ。
あとはひたすら動かさないようにじっと耐えるだけ。
所要時間は15分~20分くらいでしょうか。