栗林公園は香川県高松市にある回遊式大名庭園(日本庭園)で、国の特別名勝にも指定されています。
『ミシュラン観光ガイド』で「わざわざ訪れる価値のある場所」として最高評価3つ星に選定されたり、アメリカの庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』の「日本庭園ランキング」にて、足立美術館(島根県)、桂離宮(京都府)に続く3位を獲得したりしています。
広大な敷地に6つの池、13の築山を有し、江戸時代初期の大名庭園として優れた地割り石組みを有する南庭と明治以降に近代的な公園として整備された北庭に分かれています。
日本三大庭園である偕楽園・兼六園・後楽園よりも美しいと言われています。
栗林公園の案内図です。
北庭
切手御門(東門)から入場しましたが、もうひとつ北門もあります。
ちなみに入場料は410円。
早朝から開園しておりこの時期は朝6時からの開園
日の出が早い時期は5時30分から開園している時もあるそうです。
入場した早々、左側にある松に感動しましたがこれはこの公園のごく普通の松であり、この公園の素晴らしさからすればほんの序の口。
さらに進むと右側に讃岐民芸館
ちょっと見るとこじんまりとした建物に見えますが
奥に広がっており讃岐の民芸品などが多数展示されています。
ヒマラヤスギ
明治時代に商工奨励館が建てられてから植えられたが樹齢は110年以上
園内の樹木の中で最大の大きさだそうです。
ヒマラヤスギは商工奨励館のそばにありますが
この商工奨励館は元々藩主の別宅、桧御殿があった場所に建っているそうです。
というかその敷地のほんの一部に建てられているそうです。
右側の部分的に塗りつぶしてあるパネルがなんだかわかりますか?
実は塗りつぶして見えなくなっている部分には背後にビルがあるんです。
そうなんです。
都会の景勝地に行って撮影するときにいつも気になる背後のビルを隠しているんです。
市街地にある庭園や城址を訪れて、その素晴らしい景観を写真に収めようとするときに一番悩むあのビル群を消し去ってくれるのです。
園内にいくつも設置されていました。
紫雲山麓の清水は潺湲と流れるさまを意味して名付けられた潺湲池(せんかんち)。
小石にあたる水流で水面の輝きが感じられるようになっているそうです。
鶴亀松。
110個の石を亀を連想させるように石組みした上に、鶴が舞うような姿を表現しているそうです。
松が勝手にそういう形に成長するわけもなくすべては職人さんの長年の手入れの賜物でしょう。
別名百石松といい、園内で一番美しい松だそうです。
左側(南側)に並ぶ松を箱松といい、その名の通り箱の形を装った松です。
枝が上に伸びるのを抑え、南側の下のみに向かって伸びています。
気の遠くなるような長い年月の職人さんの手入れのたまものです。
今度は上の写真の道の向こう側からの写真です。
左側(北側)に並ぶ松を屏風松といい、絡み合うように屈折して高く伸びています。
南側から見るとこんな感じになります。
この箱松で下側を目隠しし、屏風松で上側を目隠しして
北側にあった藩主の隠居所である桧御殿を見えなくしていたそうです。
南庭
西湖と北湖をつなぐ水路の北湖側に掛けられている梅林橋。
緑一色の景色に赤が鮮やかに映えています。
園内では南湖に次ぐ大きさの北湖。
北湖には二つの島がありこれは前嶼。
北湖の後嶼。
北湖の南岸の松並木も見事です。
北湖の東岸には芙蓉峰。
梅林橋から見ると富士山の形に見えるのでこの名がついたそうです。
夫婦松。
赤松の幹の下の部分から黒松の枝が張り出しています。
赤松と黒松が組となり一本の松に見えるのでこの名で呼ばれています。
接ぎ木とは分からないぐらいの自然さですね。
ぼたん石と見返り獅子。
まったくの自然石ながら、奥の石はぼたんの花、右手前の石は獅子が振り返った姿に似ていることからこのように名づけられたそうです。
ゲゲゲの鬼太郎にでも出てきそうな感じの案内板。
ここを入ると日暮亭だよ~
日暮亭。
江戸時代に「日暮亭」と称する茶屋があったが、
その後撤去され、
その跡地で明治になってから石州流の茶室として再建されたものだそうですが
私、茶道の心得が無いもので言っていることがよくわかりません。
掬月亭(きくげつてい)。
歴代藩主が「大茶屋」と呼んで愛用したお茶室。
1640年ごろに建てられたこの庭園の中心的建物。
「どうぞお気軽に抹茶、煎茶をお楽しみください」とのことでしたが無料なのかお茶代がかかるのかは書いてなかったので不明です。
掬月亭の庭先です。
当然ながらきちんと整備されており砂紋が美しいです。
掬月亭の入り口の前にある涵翠池(かんすいち)。
涵翠池を先ほどとは逆の方向から見てみました。
池に浮かぶ瑤島(ようとう)には掬月亭側から見てもこちら側から見ても
いわゆる名石と呼ばれるような石が多く使われており見事です。
西湖の石壁とそこを流れる桶樋滝(おけどいたき)。
この滝は藩主の観賞用としてつくられ、紫雲山の中腹に置いた桶まで人力で水を汲み上げたことからこの名前がついたそうです。
戞玉亭跡。
戞玉亭跡の降蹲踞(おりつくばい)。
この水流の北に沿ってあった茶亭が講武榭に移築されたが
この茶亭に使われた降蹲踞がその後も残っている。
蹲踞の手前にある円形の井筒の水は、上の涵翠池から送水され、水が湧き上がるように仕掛けられている。
西湖の南端にある睡竜潭(すいりゅうたん)と手前にある橋が津筏梁そしてその先の中島が慈航嶼(じこうしょ)です。
そして慈航嶼の奥にある橋が到岸梁。
小普陀(しょうふだ)。
見事な石組みが施されている小高い築山で、”中国観音の座”ともいうべき霊場の中国の普陀山にならって名付けられた由緒深い場所。
観音堂跡
観音の霊場に因むとされる手前の小普陀と相対した仏祠、観音堂の跡地
この地は豪族佐藤家の居址及び庭跡であり栗林公園発祥の地とも伝えられている。
南湖にせり出すように建っている掬月亭とその背後右手には根上り五葉松。
南湖の楓嶼。
南湖周遊和船「千秋丸」で湖面からの景色を楽しんでいる人も見えます
乗船料は610円で南湖を30分かけて一周します。
もちろん船頭さんの解説付き・・・だと思います。
南湖の天女嶋。
南湖の杜鵑嶼。
飛来峰に登り西を見ると南湖と手前に偃月橋(えんげつきょう)、後方には掬月亭
さらにその背景には紫雲山。
栗林公園随一の景色でしょう。
南湖の西岸には掬月亭とその右手に根上り五葉松。
第11代将軍徳川家斉公から賜った盆栽の五葉松を枯らすことのないよう地植えしたところ
みるみる松は根を伸ばし、枝を繁らせて、こんな大木に成長したそうです。
他にもたくさんの見どころがありますが写真だらけになってしまうのでこれだけに抑えました。
また朝早くには庭の手入れをしている方がたくさんいますのでその作業を見ているのも楽しいです。
私はじーっと長い時間作業を見つめていましたけど
これって作業している人にとってはいい迷惑ですよね。
後から気づいて反省しております。